武野紹鴎―茶の湯と生涯_矢部良明

「茶味と禅味と同じきを料知し、松風を吹き尽くして、意、塵ならず。」
堺南宗寺の住持・大林宗套(1480-1568)

武野紹鴎の肖像画に賛を請われて、紹鴎はもとは浄土念仏の宗旨を守ったが、 途中からわが大徳寺派の禅に参じたことをしるしたうえで、「 」の一文を贈って、 茶と禅は一致するのだという紹鴎がもっていた根本思想を披露している。